READYMADE(レディメイド)とは?
レディメイド(READYMADE)は2013年、細川雄太がヴィンテージの米軍素材を用いたバッグを発表したことから始まった東京発のブランドであり、ミリタリーウェアの解体と再利用を通じて「ヴィンテージの民主化」を実践する。SAINT Mxxxxxが一点物のヴィンテージを素材とするとすれば、READYMADEはミリタリーの美学と構造を量産可能な形式で再解釈する。この違いが二ブランドの哲学的相違を端的に示す。
「READYMADE」という名称はデュシャンの「レディメイド(既製品をアートとして提示する行為)」への参照だ。既成の軍用品を「ファッション」として提示することで、アートと日常品、ミリタリーとストリートウェアの境界を問う。デュシャンが便器を美術館に持ち込んだように、READYMADEは迷彩柄のデッドストックを渋谷のセレクトショップに持ち込む。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド名 | READYMADE(レディメイド) |
| 設立 | 2013年(バッグから始動) |
| デザイナー | 細川雄太(1982年・大阪生まれ) |
| 名前の由来 | マルセル・デュシャンの「レディメイド」(既製品をアートに転じる概念) |
| 素材 | ヴィンテージの軍用テント、ミリタリーファブリックなど |
| 姉妹プロジェクト | ©SAINT M××××××(2020年〜、カリ・ソーンヒル・デウィットと共同) |
| 取扱 | 国内正規取扱店、ドーバー ストリート マーケットほか |
READYMADE in Brief(English Summary)
Founded in 2013 by Osaka-born designer Yuta Hosokawa, READYMADE deconstructs vintage military textiles — army tents, flight jackets, cargo gear — and rebuilds them as luxury garments. Borrowing its name from Marcel Duchamp, the brand asks what happens when objects made for war are remade for everyday life. Each piece is, by nature, one of a kind.

デザイナー・細川雄太|古着の目利きからブランドへ
細川雄太は1982年、大阪に生まれた。2003年に大阪モード学園を卒業し、翌2004年には自身のメンズブランド「S’EXPRIMER」を立ち上げている。彼の根底にあるのはヴィンテージへの深い造詣。素材としての古着を見抜く目利きの能力であり、それが2013年、ヴィンテージの米軍素材を解体・再構築したバッグから始まる READYMADE に結実した。
ブランドはまずアメリカで火がつき、日本へ「逆輸入」される形で知名度を高めていった。セレブリティの着用や大型コラボレーションを経て、いまや日本発のリコンストラクション(再構築)ブランドの代表格である。2020年にはロサンゼルスのアーティスト、カリ・ソーンヒル・デウィットとともに ©SAINT M××××××(セントマイケル)を始動させ、「軍物の再構築」とは別の軸(時間の経過そのものをデザインする試み)にも領域を広げている。
細川の仕事を貫くのは「価値のないとされたものから価値を生み出す」という一貫した態度である。廃棄されるはずだった軍用テントが、人の身体を包む一点ものの服に生まれ変わる。デュシャンが便器を芸術に変えてから100年、その問いは服の領域でまだ有効であることを、READYMADEは毎シーズン証明し続けている。
哲学とデザイン言語
READYMADEの核心的アプローチは「デコンストラクション(解体)」と「リコンストラクション(再構築)」の二段階だ。本物の軍用ジャケット、フライトスーツ、カーゴパンツを解体し、新しいシルエットとデザインとして再縫製する。この作業は単なるアップサイクルではなく、素材が持つ「軍事的文脈」を「ファッション的文脈」に意図的に置き換えることだ。
ミリタリーの機能的ディテール(多数のポケット、補強縫い、ベルクロとボタンのハイブリッド留め具)をファッションのシルエットに統合するREADYMADEのアプローチは、機能性と美学の対立を解消しようとする。ポケットは機能的だから美しい。補強縫いは耐久性のためだから美しい。機能の美学化という姿勢において、READYMADEとALYXは同じ問いに答えている。
コラボレーション戦略は積極的だ。ナイキ、コンバース、ニュー・バランス、PORTER。READYMADEは多数のブランドとのコラボレーションを通じて、ミリタリー美学を多様なカテゴリーに展開している。各コラボで「ミリタリーのDNAが別の文脈でどう機能するか」を実験する。

代表作品とシグネチャー
MA-1フライトジャケット(派生)。US Airforceのフライトジャケットを素材として解体・再構築したジャケットは、READYMADEのシグネチャーアイテム。元の素材の機能的ディテールを保持しながら新しいシルエットとして成立させる技術は、一点一点異なる仕上がりを生む。
READYMADE × Nike コラボレーション。ナイキのエア・フォース・ワンにミリタリー素材のアッパーを組み合わせたこのコラボは、スポーツウェアとミリタリーの美学的融合の実験として話題を呼んだ。
カーゴパンツ・シリーズ。実用的なミリタリーカーゴパンツのシルエットをファッションとして再解釈したこのシリーズは、現在のカーゴパンツ・トレンドを先取りした先見的な作品として再評価されている。
定番として知られるのが3パックTシャツである。ヴィンテージのパッケージ売りTシャツの形式を引用した3枚組で、ブランドの思想をもっとも手に取りやすい価格で体験できる入口になっている。一方、ヴィンテージ軍用テント生地のMA-1やバッグは一点ごとに表情が異なる文字どおりの一点もので、ブランドの核を体現する存在だ。Nikeとのコラボレーション(Blazer Midなど)は、リコンストラクションの美学をスニーカーの文脈に翻訳し、ブランドの名を世界に広げた。
レディメイドをはじめて買うなら|価格帯と選び方
価格帯の目安(時期・為替により変動)。
- 3パックTシャツ:1.5万〜2万円台
- スウェット・カットソー:4万〜8万円前後
- バッグ:10万円台〜
- 軍用テント生地のジャケット・MA-1:30万円〜
最初の一点は3パックTシャツが定番である。ボディの質感とパッケージまで含めて、ブランドの「既製品の再解釈」という思想が体験できる。本丸であるテント生地のアイテムは高額だが、同じものが二つと存在しない一点ものであり、価格の根拠は明確だ。
購入は国内の正規取扱店、ドーバー ストリート マーケットなど。一点ものは店頭・オンラインとも回転が速いため、取扱店をフォローしておくのが現実的である。
READYMADEに関するよくある質問
Q. ブランド名の由来は?
マルセル・デュシャンの「レディメイド」。既製品をそのまま芸術作品として提示する概念から。既製の軍用品を服に転じるブランドの手法そのものを名前にしている。
Q. セントマイケルとの関係は?
デザイナーが同じ細川雄太である。READYMADEが「軍物の再構築」なら、©SAINT M××××××は「時間の経過を新品に織り込む」ブランドと整理できる。
Q. なぜ高い?
主素材が現存数の限られたヴィンテージの軍用ファブリックであり、解体・再構築に多くの工程を要するため。とくにテント生地のアイテムは一点ものである。
Q. どこの国のブランド?
日本。大阪出身の細川雄太が2013年に立ち上げ、アメリカでの評価を経て日本へ逆輸入される形で広まった。
現在の動向と文化的位置づけ
READYMADEは日本のストリートウェア市場における「ミリタリー美学」の最も重要な継承者として位置づけられる。SAINT MxxxxxとREADYMADEの二者は、異なるアプローチで同じ源泉(日本人のアメリカン・ミリタリーへの深い愛情)から出発しながら、全く異なる哲学を体現している。この差異が日本のファッションシーンの豊かさを示す。
ドーバー・ストリート・マーケットとの関係、国際的なセレクトショップへの流通拡大。READYMADEの認知度は着実に国際的に拡大している。特に軍用品への関心が高い欧米のメンズウェア市場での評価は高い。
まとめ
READYMADEとは、デュシャン以来続く「既製品をアートに転換する」という問いをファッションで実践するブランドだ。ミリタリーという最も「目的を持った」製品カテゴリーを、その目的を失わせずにファッションとして提示することの緊張。これがREADYMADEの作品に独特の重さを与えている。
refer to : READYMADE official / WWD JAPAN
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