①定義…動物の「革」素材のこと。元の「皮」に「鞣し」を施したものが「革」。
②鞣し…皮にある皮下組織を取り除き、薬剤を用いてタンパク質の腐敗を防ぎ、耐水性、耐熱性、耐摩耗性を与える処理のこと。
・タンニン鞣し(ベジタブルタンニン)…植物由来。経年変化が強い。色が深くなる。飴色になる。育つ。ロマンがある。水に弱い。硬い。手入れ必要。
・クロム鞣し…化学薬品ベース。柔らかい。水に強い。実用性高い。オイル感が強い。
③種類
・牛革(カウレザー)…丈夫、バランス型、エイジングが深い、服以外にも靴や鞄などにも適正あり。
・馬革(ホースハイド)…繊維密度が高い、故に硬い、光沢が強い、茶芯が映える、ライダース文化の結びつきが強い、鎧のようなロマンがある。
・羊革(ラム、シープ)…柔らかい、ドレープが美しい、高級感が出やすい、耐久性は低い。
・鹿革(ディアスキン)…羊より柔らかくしなやか、着心地が良い、羊より傷は入りやすい。
・山羊革(ゴートスキン)…シボ感が強い、軽い、摩擦に強い、ミリタリーに多い(A-2フライトジャケットなど)
④専門用語
・銀面…革の「表皮」のこと。ここが綺麗に残っているほど高級。
・フルグレイン…表皮そのまま。最高級扱い。傷やシワも含め自然な仕上がり。
・トップグレイン…少し表面修正。準高級。扱いやすい。
・コレクテッドグレイン…強く修正。均一感は出る。天然感は減る。
・茶芯…黒く染めた革の下地が茶色の仕様のもの。削れると茶色が露出する。ヴィンテージ感の象徴。
アメカジ文化との結びつきが強い。
・芯通し…革の中まで染料が入っている状態。茶芯とは逆の製法。
・シボ…表面の凹凸のこと。シボが強いほど傷が目立たずカジュアル。
・エイジング(パティーナ)…経年変化のこと。色が濃くなる、艶が出る、飴色になる、など。
・プルアップ…革を曲げた際に色が明るく見える現象のこと。革内部でオイルが移動するため。
・床面…革の裏側。起毛している。スエードの元となる。
・ナッパレザー…柔らかく仕上げた高級革。動物は問わず、カーフナッパやラムナッパなどが存在する。
・アニリン仕上げ…透明染料のみのもの。革本来の表情が見える。高級品に多い。
・コードバン…馬のお尻の一部。革の王様と呼ばれる。ガラスのような光沢、独特のシワが特徴。
非常に高価。
・バケッタレザー…イタリアの伝統製法。オイルを大量に含ませる。使うほど深いツヤになる。
・ブライドルレザー…英国馬具文化の革。表面に白い粉が浮く。粉はブルームという。
・ブルーム…ブライドルレザー表面のロウ。使うと消える。革好きに人気。
etc…
⑤由来
レザーが服飾素材として核であることには明確な理由がある。レザーが特別なのは、
「人類最古クラスの服飾素材」であるから。
絵本などで度々見かける「鬼」の絵を連想してほしい。
多くの人が「赤い胴体」に「虎の革」のパンツを履いた鬼の姿を連想するのではないだろうか。
ここで重要なのが、「虎の革のパンツ」である。
古来より伝わる「鬼」の伝承でその姿が定着したのには、「古代人の狩猟文化」が密に関係している。
農耕が始まるよりもさらに昔、人類は野生動物と同様に狩猟採集生活をしていた。
動物を仕留めた際の用途は「肉は食料」「骨は道具」で『皮は服』であった。
つまりは現代主流の綿や麻、絹などの繊維が開発されるはるか昔から「着られていたもの」なのだ。
ただ余ったものを身に着けていただけでなくそこには着用する理由もあり、
レザーは「自然界最高レベルの防寒具」であるため寒冷地の人々の生活必需品であったのだ。
少し文明が進むとレザーはその軽くて丈夫な特性から「鎧」「馬具」「靴」にも用いられた。
さらに時代は進み中世で「鞣し」の技術が発展し、現代につながる「革文化」へと進化した。
⑥ロマン
レザーが服飾素材の核であることのロマンは単純で、
「原始人」や「軍人」の時代からの「装備」だったため。
人と馬の関係も重要で、「手綱」や「ベルト」もレザーであったことから、レザーは人類史における
「移動と冒険の素材」であったと言える。
そんなロマンが定着したのは19-20世紀のこと。
アメリカでは「カウボーイ」「鉄道労働者」「バイカー」がレザーを使用したことで、
「働く男の素材」として神話になった。この価値観は現代のアメカジに直結する。
20世紀には飛行機が開発され、初期のパイロットは極寒の地を飛ぶために
「レザーのフライトジャケット」を着用し、「A-2」や「G-1」が伝説となる。
「生きるため」から始まり、「移動」「戦い」「労働」と人類の文明全てに寄り添ってきた。
故にレザーは今もなお服飾素材に欠かせない『核』なのである。



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