建築的なデザインと静謐な世界観で知られる Rick Owens(リック・オウエンス)。
ファッションだけでなく、建築・家具・アートなど多領域に広がる彼の美学が、
ついに「香り」という新たな表現へと踏み出しました。
2025年11月7日(土)、ブランド初となるキャンドルが発売されました。
価格は ¥36,000+tax。一見するとミニマルなオブジェのようですが、
使い終わった後は花瓶としても使えるという、Rick Owensらしい“機能美”を備えています。
建築のようなデザイン、静けさの中にある存在感
キャンドルは耐久性があり再利用可能な黒色のガラス容器に入っており、フランスで手作りされ、手作業で注がれています。
リック・オウエンスの建築的なコレクションラインを彷彿とさせる直線的なフォルム。
まるで空間そのものに呼吸を与えるような存在感を放ちます。
L`APPARITION FRAGRANCE のキーノートは、ロータス、ラビダナム、ミルラ、フランキンセンス、アンバーグリスです。このキャンドルはヴィーガンで動物実験をしておらず、論理的に調達されたエッセンシャルオイルと天然エキスをブレンドし、環境に配慮して製造されています。
火を灯すと、
その黒いボディの中から柔らかな光が滲み、
まるで“彫刻が香りを纏った”かのような印象を与えます。
ファッションからライフスタイルへ

Rick Owensは以前から、家具や照明といったインテリアラインを展開してきました。
今回のキャンドルは、その流れを受けて生まれたプロダクト。
衣服という「身体の外側」だけでなく、
空間そのものをデザインするという発想が感じられます。
ファッションが「装うもの」から「暮らす空気」へと拡張していく中で、
Rick Owensのキャンドルはまさにその象徴的な存在といえるでしょう。
VAULT’s View:香りという体験のデザイン
香りには“記憶”を呼び覚ます力があります。
それは服をまとうこととはまた違う、もっと内側に触れる表現。
Rick Owensが香りを選んだのは、
「存在を纏う」だけでなく「空気を纏う」デザインを目指したからかもしれません。
このキャンドルは単なるラグジュアリーアイテムではなく、
「静けさを飾るためのオブジェ」 として、日常に小さな緊張感と美を与えてくれます。
Rick Owensが創り出す香りの彫刻。
¥36,000という価格をどう感じるかは人それぞれですが、
彼の哲学を生活に取り入れたいと思うなら、これは単なるキャンドル以上の価値があるはずです。




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