【徹底解説】東京事変|椎名林檎が描いた“最強バンド”の実像と現在地

東京事変 Mugic

東京事変とは?

2003年、椎名林檎がソロ活動を停止し、新たな表現形態として結成したバンド。その名は東京事変

“事変”という言葉が示す通り、これは単なるロックバンドではない。都市・東京で起きる異変、変革、騒動。その象徴として名付けられた。椎名林檎という圧倒的なソロアイコンが、なぜバンドという形を選んだのか。そこに東京事変の本質がある。

結成の背景:ソロ神話の解体

2003年、椎名林檎は絶頂期にあった。

『無罪モラトリアム』『勝訴ストリップ』の成功により、“カリスマ的女性ロックアイコン”として確立。しかし彼女はその神話を自ら解体する。

ソロという形式ではなく、複数人の化学反応による音楽を選択。理由は明確だ。

  • より高度な演奏力
  • リアルタイムなアレンジ変化
  • 個人表現から集団創作への移行

東京事変は、“椎名林檎を薄める”ためのバンドではない。むしろ、彼女の音楽性を拡張するための装置だった。

第一期メンバー(2003–2005)

  • 椎名林檎(Vo)
  • 亀田誠治(Ba)
  • H是都M(Key)
  • 晝海幹音(Gt)
  • 刄田綴色(Dr)

中でもベーシストの亀田誠治の存在は大きい。ポップスとロックを横断するアレンジ能力が、東京事変の音楽的骨格を形成した。

音楽性:超技巧ポップバンド

東京事変の特徴は圧倒的な演奏力。

  • ジャズ的コード進行
  • プログレッシブな構成
  • 変拍子の導入
  • ブラスやストリングスを含む複雑なアレンジ

しかし、それでいてポップ。難解になりすぎない。だが決して単純でもない。

この絶妙なバランスが“日本最高峰の演奏集団”と称される理由だ。

代表アルバムと楽曲

『教育』(2004)

バンドとしての出発点。
「群青日和」「遭難」などライブ映えする楽曲が並ぶ。

『大人(アダルト)』(2006)

第二期体制での作品。洗練度が一気に増す。

『娯楽(バラエティ)』(2007)

より実験性を増した内容。

『スポーツ』(2010)

バンドとしての完成形とも言われる一枚。

『大発見』(2011)

ポップと技巧の融合が極まる。

メンバーチェンジと第二期

2005年、メンバーが大幅変更。

  • 浮雲(Gt)
  • 伊澤一葉(Key)

この変更によりサウンドはより洗練され、アレンジはさらに緻密になった。東京事変は固定化しない。常に進化するバンドだった。

2012年 解散

2012年2月29日、解散。理由は“完成”とも言われる。椎名林檎は「一度区切る必要があった」と語る。ピークで終わる。それもまた美学。

2020年 再始動

2020年、突然の再結成。

同年アルバム『ニュース』を発表。

社会風刺や時代性を含んだ楽曲が並び、初期とは異なる成熟した姿を見せる。再始動は単なる nostalgia ではない。今の時代に必要だから、戻ってきた。

東京事変の本質

東京事変はロックバンドではない。

  • 都市の混沌を音にする装置
  • 椎名林檎の思想を複数化する実験場
  • 日本ポップスの演奏レベルを底上げした存在

ライブにおける演奏力、映像演出、衣装美術まで含めたトータル設計。それは総合芸術に近い。

なぜ東京事変は特別なのか?

理由は三つある。

  • 演奏力が圧倒的
  • ポップと実験の両立
  • 椎名林檎という中心軸の存在

多くのバンドが“個性の集合体”であるのに対し、東京事変は思想の集合体

その思想とは、都市に生きる人間の複雑さを、そのまま音楽にすること。

現在地と未来

再結成以降もライブ活動を展開。デビューから20年以上経過してなお、日本最高峰クラスのバンドであり続ける。

若手バンドにも多大な影響を与え、音楽的ハードルを引き上げた存在。東京事変は、過去の名バンドではない。いまも進化する“事変”である。


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